10月21日(木) みんなの周りの素敵な人。
12月4日に予定している表現遊びを楽しむ会に向けて、オリジナル脚本の作成に取り掛かった年長まつ組さん。
年少の時に行った『はらぺこあおむし』と年中の時に行った『ねずみくんの音楽会』の記憶が残っている子が多いようで、「表現遊びといえば動物だよね」という事で、まずは何の動物を登場させるのかという題材で話し合いを開始しました。
「優しい動物は、犬。」「私はウサギがいい。」
「ゴリラは怖い感じするよね。本当は優しいんだけど。」「わかる!わかる!!」と次から次へと意見が出てきて、あっという間に動物のグループ分けが出来上がりました。
ここまでは順調だったのですが・・・。
次はエピソード作り。
『ちょっぴりこわい動物』と『いじわるそうな動物』が出てきたので、それにちなんだ『こわいエピソード』と『意地悪エピソード』を作る事にしました。
しかし、いつまでたっても意見は出てきません。
「こわい・・・? パパは怒ると怖いんだけど、幼稚園で怖い人なんていないんだよ・・・。」
「幼稚園でも叱られる時はちょっと怖いけど、いつも怖いわけじゃ無いし。」
「意地悪ってのも、された事は無いし、した事も無いからわからない。」
長い沈黙の後に出てきた意見はどれもこんな感じ。話し合いは全く盛り上がりませんでした。
これでは話が進まないので、『されたら嫌な事』について話し合ってみました。
「幼稚園だと、作っていたものを壊されるとか使っていたおもちゃを取られるのは嫌なんだけど、それってやるのは年少さんでしょ?
壊されたらまた作ればいいし、取られたら他のおもちゃで遊ぶよ。年少さんが楽しく遊んでるなら、それでいいじゃん。」
なんと慈悲深いご意見!!
そう言われてみれば、確かに彼らがおもちゃの取り合いをしているのを見たことがありません。
我慢しているというわけではなく、自然と年少者に譲る気持ちが芽生えているんですね。
やはり、この議題でも話し合いは全く盛り上がりませんでした。
次は目先を変えて、『みんなの周りの素敵な人』について話してみました。
すぐ五つの意見は出たのですが、実際のエピソードとなると皆沈黙。
あまりに意見が出ないので具体的な事例を一つ挙げてみましたが、「いや、そんなこと?普通じゃん?」と軽く流されてしまいました。
今日は何を話し合ってもあまり盛り上がりませんでしたが、私には学ぶ事の多い一日となりました。
みんなの優しさは作られたものでも無理して装っているものでもなく、自然と身についているもの。
「助けよう」と思って助けていないし、「頑張ろう」と思わなくても楽しみながら試練を乗り越えているし、「仲良くしよう」と改めて思わなくても仲良くできている。
『素敵な人』の行動を普通にできてしまうから、その凄さに気づいていないのだと実感しました。
話し合いを終え、雑談の中で将来の夢について話していたら、「ボクは自衛隊になりたいんだ。地震とかで家が無くなっちゃった人を助けたいんだよ。」「私はケーキ屋さん。美味しいケーキをみんなに配ってあげたいの。」と、次から次へと素敵な夢の話が出てくる、出てくる。
今日一日の静けさはなんだったんだと感じるような大盛り上がりでした。
物語は、こちらに方向転換ですかね。