うえだなっ子フェスタ2020
いよいようえだなっ子フェスタ2020の日がやってきました。
土の色まで表現されているうめ組のサツマイモの絵や、虹の向こうにはどんな世界が広がっているだろう?というテーマで描いたまつ組の絵。
紹介はできませんでしたが魅力的な作品はたくさん飾られていますし、
担任が撮影した園児の顔写真や紹介文、一年間の園生活をまとめた『思い出』なども見どころです。
うえだなっ子が自らの発想で作り上げた作品の数々を、限られた時間ではありますがお楽しみ下さい。
フェスタの楽しみ方⑤ その時にしか作れない作品を飾ることに意味がある。
年少さんが11月に描いたサツマイモの絵。
私はこの絵が大好きなのです。
何故ならば、サツマイモ掘りの心情が作品に素直に表れているから。
一般的にポジティブな感情は暖色で大きく描き、ネガティブな感情は寒色で小さく描く傾向にあると言われます。
今年の年少さんは手が汚れることを嫌がる子が多かったからか、小さく描く子が何人もいました。
幼児期に手の汚れを気にするというのは、よくあること。
サツマイモを収穫するという喜びよりも手の汚れの嫌悪感が上回るというのも、当然有り得る事です。
小さく描かれた自信なさげなサツマイモの絵も、『汚れる事を嫌がっていた時期に描いたサツマイモの絵』だと捉えると、
二度と描けない貴重な絵だと感じていただけると思います。
他学年も作物収穫後に絵の具で絵を描く機会はあります。
年中きく組の部屋に飾られている大根掘りの絵もぜひご覧ください。
彼らの作品からは「大きな大根を掘ったんだ」という達成感がにじみ出ています。
我々は日々の保育から泥団子づくりや砂場遊びを日常的に行っております。
日々の経験から手が汚れる事への嫌悪感が払拭された時、彼らの作風は一変します。
ダイナミックな絵を描けるようになってからこの時期のサツマイモの絵をもう一度ご覧になると、彼らの心境の変化や成長を一段と感じられるでしょうね。
フェスタの楽しみ方③ 型にはめない。
上田名幼稚園では、「顔は肌色で塗りなさい。口は赤で書きなさい。」などと指示したり、「ここに木を作ったほうがいいよ」などと誘導するような指導は一切行っておりません。
全員が全く同じ構図の絵を描いたり全員で全く同じ作品を作るような園も多いようですが、非常に勿体ないことだと思います。
それぞれの感性が異なるのは当然のことですから、幼少期にその個性を削いで型にはめる教育をするならば、彼らが個性を存分に発揮できるように我々教育者側が柔軟にその型の形をかえるような教育を行いたいものです。
彼らが個性を最大限に発揮するには、なるべくルールや制限を設けず可能な限り自由に作品を作ってもらう環境が必要です。
例えば、先日年長さんが先日行った切り絵作り。
当然テーマは自由。台紙となる画用紙の色も自由、パーツとなる紙もこれだけの色を取り揃えています。
台紙の色も人それぞれ、作るものも人それぞれ。それが当然なのです。
「上田名幼稚園の子の作品は、自由にのびのびと作っているのが感じられてホッとする。」と卒園児の保護者によく評価していただきますが、このような活動を普段から行ってきているからなのだと思います。
切り絵作りの最中、ある子が不安げに「山に登ってる様子だから、木を紙に立てて貼りたいんだけど・・・」と担任に話しかけました。
「それ面白いね。重ねる時とか壁に貼るときは先生が気を付けるから大丈夫だよ。」と笑顔での返答があったので、その子はまた前向きに作品を作り始めました。
皆が平面で作っているときに一人だけ立体の作品を作るというのは、なかなか不安なものです。
事前の準備などの環境づくりと同様に、自由な作品を作れる雰囲気づくりというのも大事なものなのかもしれませんね。
フェスタの楽しみ方② 作品は縦に見ていくと、成長を感じられやすい。
沢山の作品が飾られていると自らのお子様の作品と他の子の作品を何かと比較したくなるものですが、
お子様の成長をより感じるには、時系列に沿ってご覧いただく事をお勧めします。
年少たんぽぽ組がハサミで紙を切って作ったものをいくつか写真に撮ってみました。
左から、5月、6月、9月、1月の作品です。
入園当初は大きな画用紙を縦に切る事が精一杯だった年少さんでも、細かく切ったり様々な太さに切ったりと出来るようになり、
1月にはこんなに器用に丸く切れるようになりました。
同様に、動物の顔も見違えるように上手に描けるようになりました。
作品の前で足を止めてご覧いただくと、様々な発見が得られ、成長も更に感じられると思います。
限られた時間ではありますが、当日はじっくりとご覧下さい。
フェスタの楽しみ方① 作品には個性が表れる。
まず前提として、上田名幼稚園で作られている作品は必ず各々の個性が出るように意図されています。
全員が全く同じものを作る事は、上田名幼稚園においてはありません。
年少児が4月に行った鯉のぼり作り。
鯉のぼりの形をした台紙にシールを貼るという単純な作業であっても、そのシールの色、個数、配置には特に制限を設けません。
キチッとシールを整列させないと気が済まない子や、色ごとに固めて貼る子、沢山貼りたがる子や、少ししか貼らない子。
「自由に作っていいよ」と言われると、その作品には自然と個々の性格が表れてくるものです。
最初はシールの色、個数、配置などでしか個性を表せなかった年少さんも、園生活で様々な作品を作る事で様々な表現ができるようになってきました。
同様に、年中児、年長児と成長していくにつれ、その表現はどんどんと多様化してきます。
うえだなっ子フェスタ2020をご覧の際は、作品に込められたメッセージを感じ取っていただきたいと思います。
作者の意図やその子の性格が作品から見えてくると、より一層作品が愛おしく見えてくると思います。